警察組織を構成する6つの職種
「警察官」とは、近所の交番勤務の巡査や、交通整理を行なう「おまわりさん」ばかりではありません。
現在の警察組織は、総務・警務、生活安全、地域、刑事、交通、警備の6職種に分かれていますが、将来どの職種に就くことになろうとも必ず通らなくてはならないのが、警察官採用試験です。
警察機構の中で働こうと決めた人にとって、警察官採用試験は言わばその登竜門に位置づけられます。
小さな相談から大規模捜査まで
交番勤務やパトカーでの警ら、110番通信指令などを担当する警察官は「地域課」に所属していますが、他に鉄道警察隊、山岳警備隊、航空隊も含まれます。
地域住民の生活上の悩み事相談から、交通機関内の犯罪取締り、山岳地帯での遭難救助活動、「空のパトカー」とも言われるヘリコプターの操縦まで、すべては「人のために働く」ことへのやりがいが大きなモチベーションである点で共通しています。
「生活安全課」は、防犯対策やDV・ストーカー対策、少年の非行防止、悪質商法などを取り締まり、安全で安心な生活環境を守るのが主な仕事です。
「交通課」は、交通事故抑止や事故捜査、交通指導や取締り、白バイ乗務のほか、ひき逃げ事件捜査も大切な任務になっています。
「刑事課」は、事件捜査や機動捜査など、TVドラマや映画などで最もクローズアップされる部署ですが、犯罪現場の鑑識や検視などのように、人目に触れずともコツコツとスキルを積み上げる粘り強さが要求される仕事もあります。
警察組織を構成する6つの職種
すぐには思いつきにくい警察の職種としては、「総務・警務」、そして「警備」があります。
総務・警務のカテゴリーでは、逮捕し留置している被疑者の身柄の拘禁などを看守として管理する「留置管理」、また被害者の立場に立ってケアや支援を行う「被害者支援」など、社会常識や人道的な判断力が求められる職種が挙げられます。
また、警察内の事務業務を担う「企画」、警察官の人材募集業務を担う「採用」もなくてはならない存在ですし、広報活動を担う華やかな「警察音楽隊」は、警察活動に対する理解と協力を得るために貢献しています。
経歴や実績が認められた場合は、警察学校の教官職や、柔道・剣道の技能指導をする「術科」のように、人材育成や教育指導の現場に携わることもあるでしょう。
「警備」は、海外VIPの来日時や国際会議などで要人警護を担う「警衛警護課」、自然災害時などでレスキュー活動にあたる「災害対策課」のほか、大規模な自然災害や治安警備などの特殊事案に対応する機動隊員が属しています。
これら警察組織の職種のうち、どれが欠けても日本社会の安心と安全は守られません。
すべての警察官の心の底には、「人が幸せに暮らすための役に立ちたい」という真っ直ぐな熱い思いが流れています。
警察官採用試験を突破することは、警察官への第一歩を踏み出すための最初のドアを、自らの力で開けることに等しいのです。