元警部が教える最強の合格ルール 警察官採用試験完全合格法

年齢不問、階級が全ての警察組織

日本を含め世界のほとんどの警察組織は厳然たる9つの階級制度の元に構築されています。
これは軍隊の仕組みと同じで、組織内の規律を保ち、命令系統を一元化することで緊急時も上官の命令で統制のとれた行動が迅速に行なえるようにするためです。
階級を上がるためには、巡査部長から警部補、警部までは昇任試験に合格することが条件ですが、これは年齢や学歴、勲功に関係なく努力次第で階級が上がることを意味しています。
都道府県で行われる警察官採用試験を経て警察学校を卒業した人は、誰でも一番下の「巡査」からスタートします。
巡査から最初の昇任のチャンスは、巡査部長への昇任試験です。
巡査部長の昇任試験は、警視庁や大都市部では競争率が高く、100~200倍の狭き門です。
さらに警部補、警部の昇任試験は難関で、合格後は警察大学校での研修を受ける必要があります。
なお「巡査長」は正式な階級ではありませんが、所轄勤務を一定期間経験し、業績を認められたベテラン巡査に対してモチベーション維持のために与えられる、名誉職の意味合いが濃いものです。


年齢不問、階級が全ての警察組織

キャリア組で占められる警察幹部

警部の上である警視以上の階級は、全て選考で昇任が決まります。
警視正から上はすべて国家公務員となり、実際にはほぼキャリア組(国家公務員Ⅰ種試験合格者)で占められるようになります。
警視正、警視長は全国で合わせて545人と決められており、約26万人の警察官の中では一握りの存在です。
その中から選ばれた20人が警視監に、そして1人がトップの警視総監の椅子に座ることができるのです。
警視庁の警察本部長を兼任する警視総監は、首都東京の警察のトップであると同時に、警察官の中では最高の階級に位置しています。
なお警察庁長官は、警察官ではなく階級もありませんが、全国の警察を監督し指示を出す立場にあり、政府と警察との連携を図る役割を持つ、事実上の警察機構のトップと言うことができます。
キャリア組で占められる警察幹部

刑事と警察官、上下関係はある?ない?

世間では、「私服の刑事は、制服の交番勤務の警察官よりもエラい」といったイメージがあるようですが、これは誤りです。
前述のように、警察組織は階級が全てであり、刑事課も正確には警察組織の一部署なので、職種による上下関係はありません。
ただ、刑事にはキャリア組などのエリートが比較的多く、職人気質でプライドが高いという指摘はあるようです。
また刑事も制服は持っていますが、現場で容疑者を確保するには警察官と分からない私服の方が都合が良いことはお分かりでしょう。
警察官の制服は巡査や巡査長は袖の斜めラインが黒ですが、巡査部長は銀色、警部補以上の階級になると袖と制帽に金色のラインが入っていることで見分けられます。 また、警察官は階級に応じて制服に階級章を着けるのが決まりです。