強い使命感が求められる白バイ隊員
数ある警察官の職種の中でも最難関であり、なおかつ「将来なりたい!」と憧れる人が多いのが白バイ隊員です。
白バイ隊員は、正式には警察本部の交通機動隊の所属で、主に車両やバイクのスピード違反や飲酒運転の指導取り締まりを行ないます。
こうした違反は、たとえ小さなものであっても人命に関わる事故につながる可能性があるため、白バイ隊員は常に状況に目を配り、事故を絶対に防ぐという信念のもと、安全走行のための厳しい取り締まりを行う役割を担っています。
また、白バイ乗務以外には取り締まり後のデスクワークで違反切符などの事務整理をしたり、雨天時にはパトカーによる警らを行なうといった業務もこなします。
大型バイクをさっそうと乗り回している印象の白バイ隊員ですが、出動は一年中休みなく行われ、事故や事件が起きれば残業は当たり前。
一日に200km走行する場合も少なくないなど、見た目より過酷でストレスの大きな仕事と言って良いものです。
また、高度な運転技術を要求されるため、白バイ隊員として配属後も常に訓練を重ねることが大切で、一人前になるまで最低3年はかかるとも言われています。
ハードな訓練に耐えて狭き門をくぐる
言うまでもなく、白バイは大型二輪なので大型二輪免許の取得が必須条件です。
あらかじめ取得していれば理想ですが、志願する時点で持っていなければ自費で取得する必要があります。
白バイ隊員になるためには、まず警察官としての実績を積み、上司からの推薦とともに志願することで、基本訓練を受ける資格が与えられます。
しかし、各県警の養成所での白バイ訓練は年にたった1回のみで、参加人数も限られているため、訓練を受ける段階からすでにかなり狭き門です。
養成所での4週間の訓練期間で適性が見極められますが、修了試験に不合格だった場合はすぐ元の部署に戻されます。
そして合格した場合もすぐに白バイ乗務ができるわけではありません。
実際には交通機動隊に配属されるまでに期間があるため、以前の部署で業務を続けながら1年程度は待機するケースがほとんどです。
正式に交通機動隊への辞令を受け、1ヶ月の訓練期間を経てようやく白バイ隊員となり、白バイに乗務しての業務開始となります。
白バイ乗務には体力や技術以外に、コミュニケーション能力なども求められますが、近年は女性の白バイ隊員の活躍も増え、職能について従来にない可能性が期待されていると言えるでしょう。
花型職業のイメージが強い白バイ隊員も、そのキャリアは一警察官からのスタートです。
最初のハードルである警察官採用試験をクリアして、憧れの白バイ隊員を目指しましょう。